ジョンくんによせて2014/03/18 08:16

コーギーのジョンくんは、オイラの家の、向かいにいた、とても強い先輩犬です。
ジョンくんは、たった一人で、家を守っていた、立派な先輩犬です。
はらっぱは、いつも、「ジョンくんのおかげで、犬と暮らしたいと思った」といいます。
だから、オイラが、はらっぱの家に来たのは、ジョンくんのおかげなのです。

七番通りは、ジョンくんの分も、トイプードルのリーさんと、オイラで守ります!

♪♪♪♪♪♪♪

ちょうど4年前の3月,向かいの家のお父さん が急逝しました。 障害を持つ息子さんとコーギー犬のジョンくん が残されました。
息子さんは施設に入りました。
ジョンくんは空家につながれたままで,たった 一人で家を守ることになったのです 。

近所の人たちで,ジョンくんの世話をしまし た。

さんぽ,ごはん,おやつ。
狂犬病の注射,フィラリア予防。

私がときどき行くと,膝に手をのせてきます。
私がビスケットをあげるときに,教えたもので す。
やわらかく,あたたかい,ジョンくんの手は, 今も感覚に残っています。

「ジョンくん,またねっ」といって,帰ると き,ワンワンと吠えます。
「帰らないで」っていってたのかもしれませ ん。

ジョンくんは,熱い夏も,寒い冬も,がんばっ て,ひとりで家を守ってきました。
昨年,ジョンくんの小屋とロープが新しくなり ました。
小屋は屋根がなくなって雨をしのげなくなった からです。
広い範囲で動けるようになっていたロープもだ いぶいたんでいたからです。

風強い日,ジョンくんの声が聞こえました。
行ってみると,ロープが柱にからまって動けな くなっていました。
ほどいて,ビスケットをあげました。
私がジョンくんに触ったのはこの日が最後でし た。

先月の大雪の日,ジョンくんをみに行くと,小 屋はからっぽでした。
近所の人が,保護したそうです。
ジョンくんが家の守りから解放された日になり ました。
二度と自分の小屋に入ることはありませんでし た。

保護されて,間もなく,ジョンくんは歩けなく なったそうです。
獣医の診断では,14才の高齢とガンを発症し ており,もう体はボロボロだったそ うです。
(たったひとりで家を守るために,ホントにが んばっていたんだね。)
最期が近づいたときは,痛みをやわらげるため に,モルヒネを使っていたと聞きま した。

先週の土曜日,保護していた近所の人たち,世 話をした近所の人たちに看取られ, 虹の橋に旅立ちました。
一昨日,やはり近所の人たちで,火葬場でお別れ をしたそうです。
あたたかい家の中で,優しい人たちに見送られ ての最期は,幸せだったと思います 。

ジョンくんが守っていた家はもう誰もいませ ん。
まだ新しい小屋もそのまま。
でも,たったひとりで,がんばっていたジョン くんのことは,みんな忘れない。

今は,虹の橋で,先に行ったお父さんと再会し ていることでしょう。
本当の飼い主であるお父さんに,おもいっきり 甘えていることでしょう。
大好きなお父さんから,「ひとりで,がんばっ たね」って褒めてもらっていること でしょう。

「ジョンくん,がんばったね。ありがとう。」